HAGIWO 8 Step Sequencer を作る
概要
HAGIWO作品のシーケンサ No.20 CV/GATE 8step sequencer を作るのだが、少し欲が出て、自分なりのモディファイをすることにした。
モディファイ内容
- クロック用の発振素子にシュミットトリガーCD40106BEを使ってみる。
- ステップ数を可変にする。(1~8ステップ)
- Rail to Rail の手持ちオペアンプの特性が良くなかったので、単電源の LM358 を12Vで動かす。
- 内/外部クロックの切り換えは、差し込みスイッチ式の3.5mmモノラルジャックを使う。
モディファイの参考サイトと回路図
Synthesizer Build part-49: 8 STEP SEQUENCER version 2.0 @ Eddy Bergman.com
本文
ハード構成(全て、Aliexpress品)
- クロックIC:CD40106BE
- POT: 100kΩ + 10kΩ
- Cap: 33uF
- 30BPMから1200BPM狙い
- カウンタIC:CD4017BE
- オペアンプ:LM358N
- 8段スイッチ:RS16 rotary switch, 1P8T
補足
クロックICについて、
- 当初、システム電源をHAGIWOの作例どおりに 5V で計画した。
- クロックICには5V電源で動く シュミットトリガーの74HC14 を使って、ブレッドボードでの動作確認を行った。
- 74HC14の安定した動作には1番Pinの入力手前に保護抵抗を設ける必要があった。
- ブレッドボード上では、1MΩで正常にシーケンス動作ができたが、
- 基板では、シーケンスの順がめちゃくちゃになり安定しないというトラブルが起きた。
- トライアンドエラーを切り換えし 10kΩでシーケンスが正常になった。
- ただし、ネットでは 74HC14 を使った事例はなく、安心のため CD40106BE を使うことにした。
- 参考:各種シュミットトリガーを一覧でまとめる。(最下の3項目はSpice Modelの設定項目である。)スペック上では74HC14がダメで、CD40106がOKの理由は見当たらない。
項目 CD40106 CD4093 CD4584 74HC14 74LS14 74C14 74HCT14 74ACT14 タイプ ヘックス・インバーター・シュミットトリガー クアッド 2入力 NAND シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー ヘックス・インバーター・シュミットトリガー スレッショルド電圧 0.9V (VDD=5V) 0.9V (VDD=5V) 0.9V (VDD=5V) 0.9V (VDD=5V) 1.3V (VDD=5V) 1.3V (VDD=5V) 0.9V (VDD=5V) 1.3V (VDD=5V) 入力電圧範囲 -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V 出力電圧範囲 -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V -0.5V to VDD+0.5V 電源電圧範囲 3V to 18V 3V to 15V 3V to 15V 2V to 6V 4.5V to 5.5V 3V to 15V 4.5V to 5.5V 4.5V to 5.5V 消費電力 1mW (typical) 1mW (typical) 1mW (typical) 1mW (typical) 10mW (typical) 2mW (typical) 2mW (typical) 10mW (typical) パッケージ DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 DIP-14, SO-14 用途 シグナル処理、ノイズフィルタリング、デバウンシング シグナル処理、ノイズフィルタリング、デバウンシング シグナル処理、ノイズフィルタリング、デバウンシング シグナル処理、ノイズフィルタリング、デバウンシング シグナル処理、クロック生成、デバウンシング シグナル処理、ノイズフィルタリング、デバウンシング シグナル処理、クロック生成、デバウンシング シグナル処理、クロック生成、デバウンシング 特徴 高いノイズ耐性、低消費電力 高いノイズ耐性、低消費電力 高いノイズ耐性、低消費電力 高いノイズ耐性、低消費電力 高速動作、TTL互換 高いノイズ耐性、低消費電力 高速動作、TTL互換 高速動作、TTL互換 SPICE VDD 8V 5V 5V 5V 5V 10V 5V 5V SPICE SPEED 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 SPICE TRIPDT 5e-9 5e-9 5e-9 5e-9 5e-9 5e-9 5e-9 5e-9
- オペアンプについて、
- 一般的にシーケンサの出力は 0から5V である。このため、電源を5Vにした場合には、入出力 Rail to Rail のオペアンプが求められる。
- 手持ちの Rail to Rail オペアンプの MCP602(秋月)とMC6482(Aliexpress)では、共にフルスイングの特性が得られなかった。
- そこで、HAGIWOの回路図に載っている 単電源のLM358Nを使うことにしたが、5Vを出力するには 5+1.5V = 6.5V 以上の正電源が必要になる。
CD4017BE
このデバイスには、0 から 9 までのバイナリ カウント シーケンスを表す 10 個の出力 (Q0 から Q9 のラベル付き) があります。複数の CD4017BE IC をカスケード接続して、より大きなカウンターを作成できます。
IC は、クロック入力 (ピン 14) に適用されるクロック信号の立ち上がりエッジでカウントし、各クロック パルスで出力ピン (Q0 から Q9) を進めます。リセット入力 (ピン 15) にリセット信号を適用すると、カウントを 0 にリセットできます。キャリー出力ピン (ピン 12) を使用すると、複数の CD4017BE チップをカスケード接続して、より長いカウント シーケンスを作成できます。
シミュレーション
シュミットトリガーによるクロック発振とCD4017BEカウンターICの動作を理解するため、シミュレーションを行った。クロック発振部とオペアンプの12V電源以外はHAGIWOの回路図のとおりである。
CV電圧設定用のPOTはサブサーキット化して、POTの分圧比を任意に設定できるモデルにした。クロックごとに、CD4017BEのQ0: ステップ1から、Q7: ステップ8まで、段階的にCV電圧が変化する様子と、Q8でリセットされて繰り返しになる様子が観察できた。
回路図
HAGIWOの回路図 を真似て、PNPトランジスタを介したGate出力を得ているが、本当のところはなぜクロック出力をGate出力にしないのかわかっていない。実際に、Eddy Bergman の Synthesizer Build part-49: 8 STEP SEQUENCER version 2.0 ではクロック出力からGate出力を取り出している。
この回路をブレッドボード上で組んで、うまく動作できることを確認した。
完成
6HPのサイズに9個のPOTとLED、3個の3.5㎜ジャックを収めるため、Fusion360 で詳細にレイアウトを検討した。
基板は2層式にした。1層目はStripbord基板でPOTとLEDをはんだ付けしている。そして、8段スイッチを組み込むための穴を開けた。
2層目は片面のユニバーサル基板で、2つのICとオペアンプを乗っけて回路を組んでいる。
1層目と2層目をつなぐ配線はカオス状態だ。電源コネクタが下向きになって使いずらい。
実験特性(動画)
最小周波数 379mHz
最大周波数 20Hz
外部クロック 周波数 100mHz
補足
シュミットトリガー比較:74HC14 と CD40106
74HC14 スレッショルドは、THL: 1.84V THH: 2.46V Delta: 0.62V
CD40106BE4 スレッショルドは、THL: 1.92V THH: 2.78V Delta: 0.86V